designershome’s blog ~デザイナーズホーム~

専業主婦から不動産・建築の会社を起業したおばさんの話

私が出会ったヤバい不動産屋2

ヤバい不動産屋はそこここにいます。

 

逆に人情味あふれる・・・等と言った不動産屋はこの世界からはじきだされます。

私は、良い不動産屋だったかどうか分からないけれど 弾き飛ばされた一人です。

 

「教科書通りの仕事しか出来ないのか! 」  とののしられたのはいつの事だったか。

相手の名まえも顔も忘れましたが、 この言葉だけがまだ生々しく残っています。

 

教科書通りの仕事しかできなかったから、今日まで特別財も築けなかった代わりに、食べる事には困らず生きてきました。

 

不動産協会の会合で出会った ある不動産会社の社長は初っ端「ふ~ん・・・女社長さんかあ~。   僕は 妻を人の目には触れさせたくないんだよ。 お宅のご主人は偉いね~。」と言いました。

 

彼の後ろには たどたどしい日本語の小綺麗な女性が 遠目に軽く会釈しました。

実は この女性は 法的には社長さんで 彼は専務という事になっていますが事実上の社長さんでした。

会合の性質上 社長を連れて来なければならず、 仕方なく「大切」な奥さんを人目にさらした。と言うわけです。

 

私は 夫に済まないな~。  と思いながらも いつもの事なので逆にこの奥さんが気の毒に思ってしまいました。  ( 飾りの人ですね。)

 

しかし、後日この社長さんや専務さんには色々悩まされる事が続いてきました。

これを腐れ縁とでも言うのでしょうか。

一つの縺れた糸をほどいて行く過程で どうしても関わらざる負えない問題が次々に出てきて、心と裏腹にどんどんこの家族に巻き込まれていきました。

 

同じ地域の役員同士で どうしても絡まなければならない事が多くて何度かお会いするうちに 彼は「恫喝型」である事が分かりました。

 

お話の途中で 少しでも意に沿わない事が話題になると 顔を真っ赤に硬直させて、自分が過去にどんなにすごい人間であったか・・・を怒鳴り始めます。

例えば、 名のある組に入っていて 海に埋められた。とか どんなに お金を儲けてきたとか。 やたらでかい声で怖い話を連発させます。

 

ここでは話せないような 怖い話です。

 

ある時お世話になっている建築資材の問屋さんの社長さんから、 こんな「ハッパ」を掛けられました。

 

あの専務さんは年間の建築資材の発注量が半端ない。  どんどん仕事を取って来るんだ。 あんたも少し見習って頑張ったらどうだ?。   と。

 

私は当時 新築注文住宅の受注は 多くても年に6棟程度。 ない時は0なんていう年もありました。

それはそうです。 女一人。 娘2人と三人で不動産・建築・設計とこなしていくのですから。

真面目にコツコツやるしか能のない私には 他の誰かと競うなんて性にあいません。

 

そんな怖い会社と比べられても 競う気持ちは全くありませんでした。

 

そんなある日 朝ごはんを食べながら新聞を読んでいると・・・・。

この専務さんが 個人名で三面記事に出ていて不動産ローン詐欺で捕まったというのです。

 

目を疑いましたが・・・でも彼ならあるかも・・・と思いました。

営業の実態が無いのにやたら新築住宅を作っていたからです。まあ凄いな~とは思っていましたが、どんなふうに顧客を集めているのか チラシや売り出しを見たことが無かったからです。

 

不動産屋の最も恥は 不動産ローン詐欺でしょう。

悪に手を染めると止まらくなって 一時的に大金を手にすることができます。

新聞によると 働いていない人に 偽の源泉徴収票・又は申告をやり直して実体のない労働者を作り出し、国から3~4000万円のローンを組ませ 何か月も支払う前に居なくなってしまうのです。

債務者も何百万円の謝礼を貰ってメデタク解散! の手口です。

 

彼はすぐに収監されて 2年程旅に?でたようです。

程なく 問屋の社長さんから電話が掛かってきてこの会社の債権が焦げ付いてしまったので何とか出来ないか。との相談。

 

まあ恩ある社長さんの頼みですから、何とか回収に向けて動き出しました。

残っている不動産を調査したところ、どの不動産にも多額の抵当権が付いておりこれを外さなくては 債権回収するのは無理でした。

 

それと、教科書を持たない不動産屋は 商品をこんな無茶苦茶な売り方をするのか。とあきれるほど 権利関係に無理があり この糸をほどくには 近隣の多くの方の協力が必要でした。

何とか七転八倒して後始末をして 、売買に漕ぎつけてお金を手にして問屋さんに届けましたが、法的な社長さんが 奥さんだった事が幸いして実現した奇跡的なウルトラCでした。

 

後日談として 彼は何度か結婚をくり返しており その間に設けた子供達にほとんど同じ手口でローンを組ませていて そのうちの何人かが破産をしていることも分かりました。  しかし、お会いした何人かの子供さんは 皆とても良い子で素直に育っていましたが、お父さんの事は殆ど口にしませんでした。

 

こんな良い子たちに恵まれて 幸せはきっと本人の知らない所に眠っているようです。

旅?から帰った専務さんとはもうお会いすることもなくなりました。

不動産や、建築が又活気を戻すのはまだ先の事です。

きっと私も そんな時代には生きていないかもしれません。

 

活気のある時代には ワルも暗躍します。

教科書を持たない不動産屋には気を付けて下さい。