昨日はシャンソン歌手「ルージュ」のカオリンと岡ちゃんのコンサートに行きました。
新型コロナの為に3年も会えなかったこのお二人。
人生のドラマを見せてくれます。
カオリンは若くして離婚を経験し、一人息子の「せかいだいすけ」さんを世に送り出しています。
彼はいつも自由で世界を旅しながら素敵な絵を描いています。
ママのカオリンも又自由で シャンソンを歌いながら「ミュゼット」と呼ばれるアコーデイオンを演奏しながら キーボード奏者の岡ちゃんとデイユオを続けています。
私は・・・いつもカオリンはジプシーの様だと感じていました。
シャンソンのふるさとは勿論フランスだけれど、ジプシーはスペイン?。
よくわかりませんが、根底に流れる何物にも縛られずに凛とした生き方がどこか日本人離れして謎めいて素敵です。
昨日のコンサートは少し刺激的で・・・いつもとは違いました。
岡ちゃんは4~5年前にパーキンソン病を患っています。
すでに足元が定まらず支えなくして歩けない所迄病状は進んでいました。
彼のこんな姿を見るのはとても辛かったけれど・・・。
彼は這ってもこの会場に来ると、当日の病院をパスして片道4時間余りの道を駆けつけてくれました。
まるで親子の様なこのお二人は又お二人にしか分からない人生を生きていて。
岡ちゃんはキーボードの天才です。 音を造るのです。
しかし、病気の為にもうキーボードに触る事が出来ません。座っていることももうままならないのです。
その昔 カオリンが岡ちゃんの才能にベタぼれしてカオリンの専属奏者になってもらった経緯や、実は今はお母さんと娘の様に片寄せ合って暮らしていることを知りました。
昨日の岡ちゃんは、長時間の椅子に耐えきれず前のめりに倒れこみました。
観客が息をのんで見守る中・・・演奏は中断したのです。
身体を支えきれず、キーボードに倒れこんだ岡ちゃん。
思わず駆け寄ったカオリンに「続けなさい!」と手で押し返した岡ちゃん。
相方が心配でなかなか歌いだせませんでしたが・・・・。
やがて、カオリンはマイクを持って歌い出します。
世界に飛び出していった一人息子の為に書いた曲が流れた時 私は号泣です。
カオリンはもう後ろの岡ちゃんを振り向きませんでした。
顔をあげて歌い出し、いつものように「Ave Maria」を歌って終わりました。
歌い終わってやっと岡ちゃんの元に駆け寄って口元にジュースやら角砂糖やら突っ込んでいましたが、岡ちゃんはとてもうれしそうに微笑んでいました。
もし、カオリンが豪邸に棲みマネージャーに自分の管理を任せ、悠々自適の生活をしていたなら、私の目から感動の涙は出なかったでしょう。
肩寄せあった二人のジプシーは私に様々な事を教えてくれました。
人は孤独の中で生きて、苦しい事・悲しい事・それぞれ持っているけれど、誰かと誰かが支え合い助け合って生きているんだ・・・・。と
コロナから苦しい事ばかりの私の毎日にカオリンと岡ちゃんは生きる事の意味を教えてくれたと思っています。
愚痴を言わず 私も前を向いて歩こう!!!・・・と思ったその夜・・・。
又も理不尽なクレームに悩まされ、今日はクレーム処理に時間を費やしました。
でも、何か元気です。
引き渡しから8年も過ぎた今、トイレの詰まりは施工ミスだと言いがかりをつけられ、切れずに対応して、無事解決したのはルージュのカオリンと岡ちゃんの御かげです。
今年の10月またお会いしましょう。