私のことです。
もう1年前になります。
亡き兄の不動産を処分したい。と相談がありました。
物件も少なく中々仕入れも出来ずにコロナの中で絶好の商談が舞い降りました。
妹と言うこの女性は隣の県からはるばる息子とやってきました。80代には見えないお若いパワフルな女性でした。
私も2つ返事で買い取りに合意し 買取金額も決まり事はスムースに進む?・・・予定でした。
いよいよ契約の段階になって・・・実は彼女は相続放棄が受理されていてこの不動産の相続資格が無い事が分かりました。
実は借金を抱えていたこのお兄さんが亡くなった時、親族全員で相続放棄をしてしまった・・・とのこと。
が~ん!!!
誰も相続しないこの荒れ果てた家。
土地も広々。平屋の瓦葺。
何とかこの住宅を蘇らせたいと、地元の弁護士の所に相談に行きました。
相続放棄地が社会問題化している昨今 売りたい人がいて買いたい人がいる。何とかできそうな気がしました。
相談にのってくれた弁護士は、10年以上もお付き合いのある信頼する先生でした。
「大丈夫ですよ。 相続放棄の取り消しは出来ます!。」
とのことで 妹と私は大喜び・・・。早速仕事にとりかかってもらいました。
しかし、 あれから1年。
まだ手続きは終わりません。
なぜなら この相続人たちが思いもよらない所に二人の相続人たちが眠っていたからです。
弁護士が入る事によって、実は9人もの相続人がいる事が分かったのです。
7人までは放棄が成立していましたが。
残りの二人の相続人たちは弁護士の連絡に 3か月以上全く反応しないまま事実上の相続が発生してしまったのです。
これは、つい2~3日前に判明したことですが、この事実を(信頼する)弁護士先生が放置したため起こったことでした。
本来去年の10月にすべての相続人が特定されたとき、この事実を私や妹に告げるべきでした。
動き方もあったのに。
そして最も悲惨な事は 間抜けな不動産屋が この妹(すでに当事者ではない)に渡した申し込み証拠金が 溶けてしまったことです。
この妹は もう使ってしまって無い。とおっしゃる。
私の通帳に入ったものは私のものだ・・・とおっしゃる。
元々この証拠金は 弁護士の「今 最後の二人に相続放棄の手続きやってもらっています。もう少しですよ。」・・・と言う甘い言葉を真に受け契約金額の半金を振り込んでしまったのです。
この仕事。。。何年やっているんだ!!!
バカ丸出しの田舎者不動産屋の自分を本当に情けなく 。
多分もうお金は戻ってこないでしょう。
考えてみると このお目出度さで今までどれだけ痛い目にあって来たか。
いつも相手に言い負かされて 結局後始末ばかりやらされてきました。
少額訴訟を自分でやるつもりですが、無い人からは取れません。
信頼していた弁護士からも何の連絡もありません。
これが不動産の落とし穴。エアーポケット。
・・・・・普通は落ちません。・・・・・
私はこの不動産にほれ込んでしまったからです。
高い授業料になりました。