なけなしのお金を持って 法人を立ち上げました。
それまで勤めていた会社をを出るにあたっては、まあ大変なこともありました。
要らん苦労ばかりして、人間の本質が全く分かっていなかった世間知らずのおばちゃんは、予期せぬ「リーク」等にかく乱され 言わば悪人のレッテルにしばらくの間悩まされる事になりました。
時間は待ったなし。
しかし、私は決定的なミスをします。
不動産免許の申請にまつわる事です。
不動産営業の許可をもらうには、都道府県知事の許可が必要です。
許可を得るには 不動産保証協会の会員になるか、法務局に1000万円の供託金が必要です。
不動産保証協会の会員になるには、保証金60万円を供託しなければなりませんが、その他に、様々な手続や登録利用権利金として 総額180万円も必要なことが初めて発覚しました。
これを完了して初めて 県庁の申請が出来るようになるのです。
私の初期費用は 免許申請に掛かる60万円しか計算に入っていません。
その他に貸テナント賃料 テナント内の設備機器、内装、電話引込み・・・。
何よりも 免許申請後、許可が下りるまで何と2か月近い時間が必要でした。
最初の一歩から、つまずき始めます。
不動産免許の許可が下りるころには なけなしの資本金はあっという間に消えてなくなりました。
今考えるとどのようにこの危機を乗り越えたのか・・・。
今の時代の様に、起業する人への支援金などはほとんどなくて、それでも 何とか県の保証協会付きの事業資金を申し込むことになりました。
まだ私も若く、助けてくれる多くのお客さまに支えられて今日まできましたが、この後
私は思いがけない辛苦を舐める事になります。
県の保証協会が、私にこんな事を言ってきました。
あなたのお父さんの履歴が残っています。
ご融資をするにあたって、この債務をどうなさるのか当協会においで頂いて話し合いをしましょう.と。
とうの昔に亡くなった父の、その昔倒産した時の履歴が30年もたって出てきたというのです。
残債が、確か元金が4~500万円だったと思います。
30年分の滞納金を併せて3500万円くらいになっていました。
この債務を 立ち上げてまだ半年にも満たない私の会社に肩代わりをしろと言うのです。
この顛末は又お話ししますが、この最中 私は会社の駐車場で転倒し足の骨折。
全治2か月のけがをして、入院生活を余儀なくされました。
万事窮す。
世間の風は木枯らしでした。