「地上げ屋」・・・なんて死語を今頃に話題にするなんて本当に恐縮です。
今世界で最もキーワードになっているのは「ウクライナ」。
人的戦争であり・・・しかし不動産の地上げは経済戦争のようなものです。
進みだしたら止まらない。 進むも地獄引くのも地獄。
かくして、私は借地権者・底地権者の同意をとりつけたものの、この資金の調達方法
まず、資金提供者を探すことから始めなければなりません。
幸いなことにこの地は まあ町の中心地。国道に面して市の道路に抜け出せる二面道路に位置する雑木林でした。
間もなくかねてよりお付き合いのあった地元では有力な事業主様から、金額が合えば買ってもよいとの申し込み。
しかし、これも条件付きです。
国道に面する接道長さが不足しているとのことで、更に隣接する二つの地主様への買取交渉が入りました。
金額面では何とか合意に達しましたが、更に仕事が増えてしまって どこに手を付けてよいのやら途方にくれました。
借地権者の落ち着き先、隣接する地主の交渉、相続の手続き、予算の確保。犬猫の行先。農地転用。
其のころ、別口でこんな話が舞い込みました。
あるところから、近県に住む方が兄弟の相続で発生した古い住宅を処分したい。と・・・
今回の場所からそう遠くない場所です。
金額交渉で手間取っていて 縁のない住宅かと諦めていました。
別々の案件が 頭の中で結び付く迄少し時間がかかりましたが、ある日の深夜ふと・・・「あれ? これってあのご兄弟の引っ越し先にならない?。」と気が付きました。
翌日早速お二人をご案内したら、案の定とても気に入ってくださって 一か八かの買取交渉です。遠方まで出向き買取を行う事になりました。
予定通りいけば この兄弟に住宅の提供とまとまったお金を渡すことができます。
しかしどこかでつまずけば、高値で買い取った住宅を引き取らざるを得ないのです。
結構なストレスでしたが、決めた事ですから先行投資でこの住宅をおさえました。
又、別口で総合病院の近所に 貸家の募集を頼まれました。
この住宅、場所は悪くはないのですが若干問題がありました。
トイレが汲み取りなのです。
これも、ひらめきが少し遅れてきました・・・が大家様に頼み込んだら、汲み取りのままでよければ 猫13匹犬1匹 大家族了解とのこと。
これがまとまれば、借地権者に大きなお金を残し このまた貸し借人のも少しのお金を渡すことができる・・・。
大変なお引越しでしたが これも何とかクリアーしました。
一生分のツキを使い果たしてしまいましたが、このように落ち着き先がきまったのです。一つのずれが生じればすべてが水の泡になる危険な賭けでした。
残りの地上げもまあ多少の苦労はありましたが、それまでのストレスを考えれば大したことはありません。
紆余曲折を経て 約1年余りの契約 解体 その後の決済。 めでたく各関係者に分厚いお金をお届けして、この地上げは終わりました。
買い取った会社の社長さんから「良くやったね~。ここは買いたくても買えない、売りたくても売れない大変な土地だったんだよ!」
と労いのお言葉を頂いた時には 涙がこぼれました。
会社を興して間もない頃の冒険の旅でした。
現在この土地には 大手のファミリーレストランが出来ていて、言わばドル箱。買主様の大勝利でした。
怖いもの知らずでなければ出来ない事をやりました。
もう二度といやです。