designershome’s blog ~デザイナーズホーム~

専業主婦から不動産・建築の会社を起業したおばさんの話

宗教からの脱却

私の人生の大きな部分を占めてきた新興宗教があります。

脱会して10年以上になりますが、改めて洗脳されることの恐ろしさをお話ししたいと思います。

 

確か入信したのは30歳頃だったと思います。

現在は日本中に支部のある大きな宗教団体ですが、当時は本部とその他に2~3の支部を持つまあ中堅の社会には害をもたらさない宗教ではありました。

 

私には一人の兄がおり、これは又機会があればお話ししたいと思いますが言わば一家の癌だと言われていました。

私達一家はこの兄に翻弄されて もはや打つ手がないと諦めていたある日、この兄が一つの宗教に心を奪われ人生をやり直すと言い出したのです。

母は涙を流さんばかりに大喜びをして、一も二もなく大賛成。それに伴って父・兄嫁も入信しました。

私は暫く胡散臭い勧誘に抵抗していましたが、母に懇願され仕方なく親孝行の一環として入信したのです。

誘われて何度もご神域と称する本部に出向いて行くうちに少しずつ、少しずつ洗脳状態になっていきます。

先祖の因縁が現在の苦難の原因である。救え❣救え!と親戚中勧誘が始まります。

私の長女が小児喘息を患って入院生活が長く学校になかなか行けない事が当時の私の悩みでした。

これが私の持つ因縁であると諭されて最後には一か月に10人の信者の募集をしなさいとのお達しに夢中で勧誘を続けていました。

この世の善と悪は宗教では問題でなく、信仰だけが導きをすることが唯一の救いであるとの教えに 結局兄は自分の素行を改めることなく、一家は離散・借金だらけで両親も当の兄もすでに亡くなっています。

 

人生の本当に働けた時代。  ご奉仕と言う名の搾取。

身体を患っているものは労働で、金銭に悩んでいるものは金銭でと時間もお金も浪費していきました。

週一日の休日には朝7時の祈りに間に合うようにと4時起きして片道1時間半かけて本部に行き夕方4時までの奉仕活動。自宅に帰るのは夜7時。仕事に戻る週明けはクタクタです。

 

癌を患った多くの人が奉仕をしながら亡くなっていくのを何人も見ています。

しかし、洗脳されているものには 宿命の縁が切れなかった人。としか見えません。

最初は「癌からの生還」などと、宗教ビデオを随分見せられたのに亡くなった方たちを見ても何の不思議も感じませんでした。

年末にはご神体の交換があり1体年間3000円です。

教祖様はあと少ししたら、世界平和になりこのお金は必要なくなります。とおっしゃったとか・・・。(今は更に値上げしているようです)

私が入信したときは教祖様は「お隠れになった」と世襲の二代目の御時代?でした。

私の様に何人も勧誘している人は、信者さんの面倒を見ながら幹部になっていましたのでさらに一口30000円の御札を頂かなくてはいけません。最終には10万円 又私の兄は年間1000万円の約束の元に多分200万円くらいの分納していたと思われます。

何しろ、出せば出すほど入って来るとの教えで、時はバブルに浮かれた俄か成金がご神域を闊歩していました。

 

休日の時間も僅かばかりの貯金も、時には子供たちの学校や子供会も・・・すべてを捧げたこの20年以上の時代は 目指すものは何なのかもうわからなくなっていきました。

そんなある日、ご神域には又箱ものが建ち始めました。

次々に建てられる箱モノは信者の献金で賄われます。

「青年館」と称するこの箱モノは豪華なホテルの様な佇まいでした。

すでに三代目があれこれ指示して建てられたこの箱は青年の為だと言います。

結婚式場として使用するのがメインなのですが、これを使用出来る人のリストが、ご両家の本人は勿論 その両親、又その兄弟3親等に至るまで信者でなければならないと・・・。

この献金が募られていた中で初めて私は????????。と思いました。

どこにそんな親戚がいるのか。 

誰のための箱ものなのか。   すでに二条城の様な門が完成し、子供たちの体育館、着衣からシューズ迄指定のものを購入し、次々に出来上がる建築物を私たちは拍手をして迎えなければなりません。

数えあげれば 不信感はどんどん募り、前進も後退も出来ない苦しみに入ります。

ここ迄信じた人生を否定することは出来ず、さりとて信仰を保つ事は尚出来ず・・・。

 

この時私は洗脳を解くことの難しさを思い知ります。

これにまつわるものが処分出来ないのです。

多分今でも・・・・ご神体を踏みつける事は出来ません。

しかし、私はこの時決心をします。まるで麻痺した腕をつかむように・・・。

段ボール箱に書籍や、名札やプレート。 その他を押し込んで本部に送り、新興宗教にはまったこの人生の時代にわかれを告げました。

 

仕事柄宗教と政治の話はしませんでしたが、洗脳されて一時代を共に生きた宗教でした。時には親戚も友達も失いましたが、これもまた人生です。