designershome’s blog ~デザイナーズホーム~

専業主婦から不動産・建築の会社を起業したおばさんの話

夫に会ったよ!

雨の日曜日・・・。

朝9時・・・。

たった今 4年前に亡くなった夫に会った・・・。

 

忘れないうちに書いて置こう。

 

リビングのソファーで うたたねををしていた。

誰も居ない日曜日の朝は 愛犬のサリーと二人きり。

すると二階から 誰かがトントンと下りてくる。

 

誰も居ない二階から。

足音は どんどん近くなってリビングに入ってくるのだが 何故か私には見えない。

足音の主は そのままキッチンのシンクの所で止まる。

カチャカチャと音を立てて 何やらお弁当の容器を水に浸しているようだ。

 

夫は4年前に亡くなったはずなのだが、何故か私にはこの音から夫のしぐさに間違いがないと思えた。

 

ふいにソファーの背後から 「おい! 眠いなら布団に行って寝ろ!!!」

といつもの様に小言を言っている。

 

「あ!   お父さん!!!」と言って私は夫に抱き着いた。

この世の人ではない事を私は理解している。逃げないように抱き着いたのだ。

夫の匂いがした。

少し痩せていたようだ。

「お父さん。ご・め・ん・ね・・・」 と何故かここ迄言って ふと目が覚めた。

 

夫が元気だった頃、 私は最も忙しく働いていた。

昼は現場に夜は飲み会やら打ち合わせで 自宅に戻る時間はいつも夫は眠っていた。

タクシーに乗り始めてから 雨の日も風の日も ・・・娘の結婚式の日でさえ同僚と交代してもらいながら 1日たりとも休むことはなかった。

夫が亡くなって間もなくコロナが始まった。

 

仕事は急に暇になり 自宅に籠る事が多くなり始めて自分の人生を総括し始めた。

良く頑張った人生ではあるが、良い妻だったとは言えない。

良い母であったのかも分からない。

 

この4年間 夫は一度も私の前に現れた事はなかった。

何物にも執着しない人だったので特にこの世に未練はなかったと思う。

 

しかし今日初めてありありと声を聴かせてくれて お詫びさえ言わせてくれた。

菩提寺の御前様曰く・・・。お釈迦様の元で修行中とのこと。

夫は4年の修行の中でほんの1分  家族に会いに行く事を許されたのか・・・。

それとも私が ボケ始めたのか・・・。

28日で69歳になる。

これからも時々会いに来てくれると嬉しい・・・。