私には そんな気は全くありません。
しかし、何故かお酒をしこたま飲むと 「おじさん」になってしまいます。
今はもう自粛の時代で 暑気払いや忘年会、新年会などは建築業社には欠かせないコミニケションの集まりになりますが・・・。
私の会社でも 恒例の様にこれが延々と行われてきました。
少し話はさかのぼりますが・・・。
恒例の飲み会の後、職人さんたちを5~6人誘って二次会に行きました。
私の会社のすぐ近くにある、まあフィリッピンパブ・・・ですよね~。
空気の澱んだ 悪臭のする二階のフロアーに8~9人の外国の女性が働いていました。
私も不思議な世界が好きで、新宿のひげガールや 六本木金魚に大勢でよく遊びに行っていたもので
特に怖いとか感はなく、最も相当酔っぱらっていますので気分はもうオッサン ・恐怖感はまるでありません。
あっと言うまに4人程の日本語の出来ない若い女性に囲まれ 職人衆はもう大喜びです。
そして彼女たちはもてなしを良く心得ており 私の様な場違いのオッサンおばさんにも優しく接してくれます。
私の隣には 若い可愛い女の子.天使の別名 ここでは天使ちゃん・・・と言っておきます・・・が座ってくれました。
話し込んでいくうちに ・・・だんだん私は彼女のお母さんになってきて、なんていい子なんだろう・・・。
少しでも彼女の力になりたい・・・。なんてアホナことを思い始めました。
二時間ほど飲んで歌って帰りに 近所の会社の場所を教えてきました。
聞けば彼女らは 小さなアパートに大勢で住んで 国の親にお金を送っているのだとか。
えらいな~・・・と素直にそう思います。
まあ 特に騙された・・・と思っているわけではありませんが、おばさんが 下心のあるオッサンの様にお金を巻き上げられることは普通ありませんので、私の貴重な体験としてここに語っておきたいと思います。
2~3か月ほどたったある深夜・・・見慣れない携帯から着信がありました。
その時は気が付かずに 後にこれは天使ちゃんの携帯だと知るのですが。
その更に1週間後 昼11時頃 又この番号から着信がありました。
恐る恐る 出てみると・・・弱弱しい声です。 若い女性が今にも泣きそうな声で「も・し・も・し・・」
「お・か・さ・ん?」(お母さん?)
「て・ん・し・だよ!」
と言っている。
暫く・・・天使?????誰? イタズラ電話?
その時ふっと気が付きました。
あ~フィリッピンの天使ちゃんだ!
昼の11時ですから 頭は冴えきっています。
「天使ちゃん どうしたの?」
「お・カ・サ・ん・・・こどもびょうきだよ たすけて・・・。ひこうきだいないよ 10まんかしてほしいよ・・・」
天使ちゃんは今にも泣きそうな声で 国に帰る飛行機代を貸してほしいと言っています。
10万円か~。 さすがにこれは帰って来ないと分かっているお金です。
可愛い天使ちゃんですが、おばちゃんが キャバ嬢に10万円あげるいわれはないのです。
一瞬まともになって考えて おばちゃんは その時財布にあった3万円なら もう帰って来ない前提で あげてもいいと思いました。
その日は定休日で自宅にいましたから 近所のコンビニで待ち合わせすると5分ほどで天使ちゃんは ボロボロのワンボックスでやってきました。
化粧気の無い若い天使ちゃんは たった3万円を手にすると 「かならずかえすから」 と約束して 消えていきました。
天使ちゃん幸せにね! きっと彼女はこの街から 流れていくんだね。
大丈夫!天使ちゃんなら、 新宿でもどこでも生きていけるよ!
それきり 天使ちゃんには会えません。
こんな話は 世のオジサンには沢山あると思いますが、普通おばさんは遭遇しませんよね。
ただ 天使ちゃん もっとお金持ちのオジサン見つけなきゃだめだよ・・・!
少し寂しいお財布を見ながら 苦笑いのおばさんの話でした。